2013年6月24日月曜日

floating 上野不忍池の蓮・初夏③


強い太陽光線で水面が鏡面のようになり、ある角度で撮るとほとんどCGのような質感です。

古代ハスという、太古の昔を思わせる植物にこの質感がハマるのは、未来世界だけでなく、太古の昔も、時間的に離れたものはSFチックに感じるからだろうと思います。過ぎ去った過去方向でもこれから来る未来世界も自分から遠く離れたものは、想像力が伴って初めてイメージとして浮かび上がるフィクションの世界。遺跡はあっても、それが生きていた時代は見たこと無い。SFの未来社会のモチーフに古代チックなデザインがよく登場するのもそういう意味で私たちからの距離が同じだからなのだろうかとか思います。




水の流れと水紋が、強い太陽を反射して、ゼリーのようにドロリとして見えます。真横に伸びた水紋は、なぜか時間の停滞を感じさせ、半分水に浸かったハスはそのまま水の中に沈んで行くかに見えます。

やっぱりfloating

カメラを斜めにして、水紋が斜めになると、ハスは左上方向にやや浮揚しているように感じられます。これって、漫画の背景の効果線みたいだなと思いました。


そしてflying

水の流れが縦方向に見えると、もはやハスは飛翔しているよう。ああもう、ハスと一緒に空を飛びたい。このハスのように浮かびたい!

ある時、偶然こういう写真が撮れて、初めて上野不忍池の蓮の未来に向けた生命力と、一般に考えられる植物の美しさという部分を超えた、なにか根源的な美しさを感じました。
肉眼で揺れているハスを見ながら感じた印象のなかの一つが、光やレンズの力を借りてこういう風に顕現した。

これらの写真はちょっとシュールレアリスムっぽいかなと思うけど、シュールレアリスムってこういうことなのかなとも思います。「私にはこう見えるのよ。」




2013年6月22日土曜日

flying babies & Klimt

まるで、クリオネが空を飛んでいるよう。いやこれは水中か…。
さて、ここはどこでしょう。


 flying babies




そうなのです、これは上野の蓮のこども。画像を90度回転させたら、空を飛んでるように見えました。
Midori no Hikari







クリムトの絵のようだなと思いシャッターを切りました。これも上野不忍池、5月の風景です。ただ、90度回転していますが・・・。

2013年6月20日木曜日

good days 上野不忍池の蓮・初夏①

1年間塩漬けにしていたブログを再会致します。
ちょうど梅雨の時期にアジサイから始めたブログでしたが、それなりの長さの文章を書くプレッシャーに、1年も放置してしまいました。
その間に花の写真も溜まり、上野公園周辺、また皇居周辺の花の四季が1年間揃いました。今年に入ってからは仕事に忙しくあまり撮影できていませんが、去年の同じ時期の風景と今の風景を見比べて見て下さい。不忍池の蓮などは、今年は少し枯れ葉が目立つと言う書き込みも見かけました。去年はかなり瑞々しい蓮です。

ただ、この写真、前回投稿のアジサイもそうですが、裏テーマは「もうひとつの世界」。
普段あまり見かけない、草花の姿を捉えているつもりです。
写真は色などの加工はしていません。

というわけで、「花は町にあるように」の再開は、少し前の季節、5月の不忍池の蓮から。


No.1 「good days」


この写真、お分かりの通り、上下を逆さにしています。





No2.「GOOD DAYS」

今年もすでにこの風景は通り過ぎ、もっと蓮は繁茂しています。
来年、またこの風景が見られるか、楽しみにして下さい。

こんな風景を日々見ていると、もうこれだけで十分だとか、恐ろしいことを思ってしまう瞬間もあります。不惑にして自然と心中するのか…。自然の魅力の恐ろしさを感じます。

東京の水辺は不思議な風景に満ちています。
これから、これまで1年間で撮影した、上野公園周辺や皇居の濠など、都心の花のある風景を少しずつ紹介して行きます。